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カメラ好きの男は腕時計も好き ~ セイコー ダイバーズウォッチ SBBN035「NINJA TUNA」

約一か月ぶりの腕時計紹介記事。第2は国産の雄、セイコーのダイバーズウォッチ SBBN035 愛称「NINJA TUNA」です。お付き合いください。

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1.その名も「NINJA TUNA」

手の届きやすい価格から世界中で人気のセイコーのダイバーズウォッチ。ケースデザインの雰囲気から、「SAMURAI」「SUMO」「TURTLE」「MONSTER」など、さまざま愛称を与えられたモデルが多数展開されています。

今回紹介するのは「TUNA」。魚のマグロからイメージされたわけではなく、その特徴的な外胴プロテクターの形状が「ツナ缶」を連想させるからだそうです。「TUNA」シリーズの中でも、このSBBN035はその真っ黒な外観から、海外では「NINJA TUNA」と呼ばれています。

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2.「7C46」クオーツムーブメント

SBBN035に搭載されているムーブメントはクオーツの「7C46」。1986年登場以来、長年使われ続ける高信頼ムーブメントです。その特徴は高トルクと耐衝撃性。通常のクオーツムーブメントはトルクが弱いので、大きくて重い針を動かすのには適していません。ダイバーズウォッチは水中での視認性を確保するため、夜光塗料をたくさん載せた太くて重い針を動かす必要があります。そこで開発されたのがこのムーブメントです。通常、一つのムーブメントはいろんな製品に搭載されますが、このムーブメントは「TUNA」シリーズ専用のムーブメントとなっています。

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3.「MARINE MASTER PROFESSIONAL」の称号

数あるセイコーのダイバーズウォッチの中でも「300m以上の飽和潜水対応」のモデルには「MARINE MASTER PROFESSIONAL」の称号が与えられています。「600m対応」「1000m対応」や高級機械式ムーブメントを塔載した数十万円するモデルもあるなかで、このSBBN035は「MARINE MASTER PROFESSIONAL」ラインの末弟にあたります。文字盤に刻まれた「MARINE MASTER PROFESSIONAL」の文字。これが一つは欲しかったんですよね。

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4.SEIKOの愚行

セイコーさん、ごめんなさい。悪口書きます。でも消費者の声だと思ってください。

値上げ........セイコーのPROSPEXというシリーズは着々と値上げが進行中。既存製品には影響ありませんが、モデルチェンジ後の値上げが顕著です。もちろん、風防のサファイヤガラス採用や改良ムーブメントの採用といったブラッシュアップは図られていますが、実売価格で、既存の製品より倍近い価格になっているものもあります。この傾向は10万円以上の製品で顕著です。もちろん、ここで紹介した「TUNA」シリーズもその対象です。気になっている製品があるときは、モデルチェンジしたら高くて買えなくなってた...なんてことがあるかもしれません。

文字盤デザインの変更.....「MARINE MASTER」という印字が文字盤から消えつつあります。ブランド戦略の一環でしょうが、モデルチェンジをうけるとPROSPEXシリーズの統一ロゴである「X(エックス)」マークにデザインが変更されます。それはやっちゃいかんですセイコーさん。「MARINE MASTER」を文字盤から消してほしくなかった。

5. 定価税込み132,000円は高いか安いか

 時計機能だけ見れば「日付/曜日表示付きの普通の3針クオーツ」です。ソーラーでもないし、電波時計でもないし、GPSもないし、Bluetoothでもない。特別高精度でもないし、普通に5年に一回電池交換が必要です(町の時計屋さんでは交換できないのでメーカー送り)。興味のない人から見れば、高くない?と思うのは普通のこと。でも、この時計にはダイバーズウォッチ好きなら押さえておきたい魅力が詰まってます。(ちなみに、定価販売縛りのモデルではないので8万円台で買えます)

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6.SBBN035「NINJA TUNA」の魅力

デザイン....ダイバーズウォッチメーカーは数あれど、この外胴プロテクターを伴ったデザインはセイコーのアイコン的存在(パクリメーカーがあるようですが品質は推して知るべし)。好き嫌いの分かれる点でもありますが、コレクションとして押さえておきたい独特の造形です。

サイズ感....先述したように上位モデルとして「600m」「1000m」潜水対応モデルもあります。上級機だけあって質感も素晴らしいですが、ケースサイズも大きくなり普段使いにはちときつい。本当に職業として必要としている人か、体格のいい人でないと使いこなせません。普段使いメインの私にはこの大きさが限界です。

堅牢性...「300m」飽和潜水対応ですから頑丈なのは当たり前。たたいてみると「ごつごつ」と跳ね返す分厚いガラス。どんな環境でもしっかり働きますと語ってくるような男の道具感がたまりません。

コスパ....2020/10現在、セイコーさんのHPに掲載はされてますが、一部の販売店では販売終了しており、カタログ落ちするのは時間の問題と思われます。ブラッシュアップを図り再登場するか、そのまま販売終了となるかは不明です。再登場したとしても大幅な値上げは確実です。そういう意味では「7C46」クオーツを塔載した「MARINE MASTER」が実売10万円以下で購入できるのはこれが最後かも......。

ルミブライト....要するに針とインデックスに塗布された夜光塗料のことですが、これがめちゃくちゃ明るい。蓄光させてから暗闇に放置するとボーっと光っているのがよくわかります。「本物のダイバーズです」と主張してます。

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 7. SPEC

ムーブメント.....7C46(電池式クオーツ)

公称精度.....平均月差±15秒

電池寿命.....5年

ケース....ステンレス(硬質コーティング)、300m飽和潜水用防水

ガラス.....デュアルカーブハードレックス

Lug幅....22mm

ケースサイズ....厚さ: 14.7㎜ 横: 47.7㎜ 縦: 47.7㎜

8. 空気潜水と飽和潜水

セイコーさんでは一般的なダイビングを想定した空気潜水対応のモデルには「AIR DIVER'S」という表記が、飽和潜水にも対応したモデルには「He-GAS DIVER'S」という表記が入ります。じゃあ、飽和潜水ってなんぞやってことになりますが、それについて記載すると、とても長い話になりますので、興味のある方は下記のリンクをご参照ください。

www.hodinkee.jp

お付き合いいただきありがとうございました。