一本は欲しい広角レンズ:Canon NEW FD 20mm F2.8
APS-Cカメラとオールドレンズの組み合わせでは使いやすさから「28mm(フルサイズ換算約42mm)」や「35mm(フルサイズ換算約53mm)」を使用する機会が多くなりますが...。
「空を大きく切り取りたい時」「建造物の特徴を強調したい時」等、被写体によっては、もうすこし「広角」のレンズが欲しくなってしまうんですよね、そこでゲットしたのは、今回紹介する「 Canon NEW FD 20mm F2.8」です。
それにしても値が張りますね、広角レンズは。
当時は設計するのも苦労されたでしょうし、あまり数は売れなかったんでしょう。広角レンズは玉数が少なめです。「20mm F2.8」クラスで程度のいいものだと4万円くらいの出費は覚悟することになりますね。その点、このNEW FDはそこまで値は張りません。ある意味お買い得です。3万円以下で程度のいいものが見つかるでしょう。
1973年に先代の「FD 20mm F2.8 S.S.C」が発売されています。
キャノンカメラミュージアムでは「FD 28mm F2.8 S.S.C」のことを....
「20mmという超広角にもかかわらず、F2.8の世界一の明るさをもつ本格的な超広角レンズで、フローティング機構を採用、至近距離から遠距離までシャープな画像が得られるレトロフォーカスタイプである。」
......と紹介しています。
1970年代前半.....「20mm」クラスのレンズは、ライバルが「SMC TAKUMAR 20mm F4.5」「NIKKOR UD AUTO 20mm F3.5」と言ったところですから、当時「F2.8」を投入したCanonの力の入れようが伺えます。
1970年代後半....「Ai Nikkor 20mm F2.8S」「MINOLTA MD W.ROKKOR 20mm F2.8」「SMC PENTAX-A 20mm F2.8」といったライバルが登場し、「NEW FD 20mm F2.8」が厳しい戦いを強いられたことは容易に想像がつきます。
- 構成:9群10枚
- 最短撮影距離:25cm
- マウント:FD
- 重量:305g
- 絞り羽根:6枚
- 絞り:F2.8~F22
- フィルター径:72mm
標準レンズに比べれば大きいサイズですが、重量は305gに抑えられているのでバランスの悪さは感じません。前玉はフィルター面ギリギリまでせり出していて、フィルター無しで使う時や、フィルターを交換するときなどはレンズを傷つけないように気を付ける必要があります。
最短撮影距離も短く使い勝手も良好、絞れば十分シャープな画像が得られます。
オールドレンズに完璧な性能を求めるのはナンセンス。多少の歪や収差はご愛敬、なによりこの画角が欲しかったのです。
APS-Cで広角側が足りないなと思っているなら、このクラスのレンズで絵作りの世界が広がります。
作例をとりあえず一枚だけご紹介
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